youkanOkibasyo’s blog

主にワイルドアームズ3の長めのメモ

WA3二十周年記念話についてのあとがき

はじめに

※この記事はワイルドアームズ3のネタバレがあります。未プレイの方はご注意ください。

WA3、二十周年おめでとうございます!!…ということで、Pixivさんに記念小説を書くなどしていました。

www.pixiv.net

これについてのことをこの記事にはまとめていこうかと思います。小ネタとか、そう言う感じです。私自身のWA3解釈が多分に含まれるので、ご注意いただければと思います…。

 

1.二十周年記念シリーズについて

去年の段階で「よっしゃ~、いよいよ二十周年だしデカいことをやるぞ!」と思い至り、考えたのがこの「ちいさな花の花畑」シリーズです。

好きなものをそれぞれに詰めた、共通テーマの三作を書こう!と思ったのが発端です。

 

それぞれに読めるのでPixivでのシリーズ化はしていませんが、シリーズ名の通り、共通するのは「ちいさな花の花畑」がどこかに出て来る、ということです。一作目ではウェルナーの夢、二作目ではジェットの幸せ、三作目ではヴァージニアの想い出…をそれぞれ象徴している、という意図でした。

 

色々書いているうちにあれよあれよと文字数が増えて、なんとシリーズ合計10万文字越えという私の中でもかつてない事態になっていました。不思議ですね。文字って集まると増えていくんですね(?)

 

ありがたくも色々と感想いただいたりして、頑張って書いて良かったなぁと思います。ありがとうございます!

 

2.Two Years Later!について

今回書いたお話は連作短編集のような感じなので、それぞれのお話について書いていこうと思います。

 

その1.シュレディンガー一家の話

マヤ・シュレディンガーはWA3本編最後でとてつもなく大きな夢(野望?)を抱きます。ファルガイア統合星府の大統領になる、という。このお話は、そんな目標に向けて彼女はどういうことをしていくんだろうなぁ、ということを想像したお話でした。

 

個人的には、本当にマヤがファルガイア全土を統合するのか、という所は悩ましいなと思っていて。ブーツヒルやバスカーコロニー、ハンフリースピークなんかが大きな国のような枠組みに入るのが私にはあまり想像できなかったんですよね。ヴァージニアも本編で言ったようにそうなったら止めそうですし。

じゃあどうなるのかな、そう考えて、全ての町をまとめるというよりは、また別に大国を作ってそこの大統領になるのかなぁ、と思ったりしました。なので、その一歩として農村を作り、そこの村長となっているお話を書いたのでした。

 

とはいえ、マヤ・シュレディンガーという人は私にはとても想像もつかないようなスゴイことをやる人なので、本当にファルガイア統合星府を作る可能性もあるかもしれないなぁ、とも思います。

 

その2.カスケード興産の話

このお話はギリギリまで入れるかどうか悩みました。ジェイナス・カスケードという人の結末を考えると、悲しいお話にしかならないからです。特にジェイナスを好きな方を傷つけてしまったら、と思っていました。悩んで、でもやっぱり私なりのジェイナスを書いてみようとなり、入れたのがこのお話です。

 

私はジェイナスの道が決まってしまったのは、キザイアが、ルチオが死んだ時ではなく、Chapter1でロメロとダリオを裏切った時かな、と思っています。(一応)仲間だった存在を自分からはっきり裏切ってしまったその時が最大のターニングポイントだったのかな、と。

ロメロとダリオ、しぶといんですよ。かなり。Chapter1で盛大に吹っ飛ばされたのに、普通に元気に生きてる訳です。それって、ジェイナスが求めていた「裏切らない、彼をひとりにしない人物」に実は近いんじゃないかなって思ったり。それに気づけばもしかして、…という気持ちを詰めたのがこのお話でした。

 

個人的にティティーツイスターが西部劇~!って感じで大好きな町なので、その辺も描けて満足です。

 

その3.運命の箱船教団の話

このお話が二十周年最大の目標でした。ずっとずっと書きたかったお話です。なんとか形に出来て良かったです。

 

このお話のテーマは、WA3最後にできた課題、ヴァージニアたちの指名手配をどうすれば解決できるか、です。それに対する私なりの答えがこのお話です。

このお話の前身として今までいくつかのお話を書いてきました。特に関わりが強いのはこのお話です(※超薄いですが一応カップリング要素は意識しているお話なので、ご注意ください)。

 

www.pixiv.net

 

このお話の中でヴァージニアは「敵じゃ…ないよ。今は誤解してるだけ。誤解はね、こうやって、少しずつ解いていくしかないんだよ」と言います。

指名手配問題の私の答えはこれでした。誤解を一発で解決する方法がないのなら、時間を掛けて信頼を得ていくしかない。

上のお話みたいなことを何度も何度もヴァージニアたちは度々行っていって、ようやく解決に向かったのが今回のお話、という訳でした。

 

まさかのメインでもサブでもない村人を主人公に抜擢するという割と挑戦的な一作でした。WA3は全村人に名前があるからこういう時ありがたいですね…。

 

その4.ギャロウズの話

ギャロウズはいつでもギャロウズなので、二年で変化があったのは彼の弟シェーンの方ですね。重めの話が続いたので、明るめの話を意識しています。

 

ギャロウズの幼馴染、コーデルを書いてみたかったので満足です。バスカーコロニーのコーデルはギャロウズの小さい頃の話とかをポロポロ言ってくれるので、是非ギャロウズで話しかけて見て欲しいです。

 

その5.クライヴの話

結構難産でした。まず、クライヴがED後どういう研究をしていくのかが分からず…。色々考えてどれもあり得そうだなと思ったので、今回は濁しています。

 

何かと悩むクライヴが好きなので、何かと悩んでいます。クライヴには積極的に前に出るみんながキラキラして見えるかもしれないけど、彼の慎重さもそれとはまた別の長所だと思うんですよね。

 

その6.ジェットの話

今までの苦労が嘘みたいにするする書けました。何度も彼視点を書いているだけにやはり慣れなんですかね。

彼の身長についてはツイッターで取ったアンケートも参考にして、170前半くらいを見ています。が、あんまりそれっぽくは書けなかったですね。

 

ヴァージニアがジェットに「おかえりなさい」と言うのですが、ジェットはそれを「ハイハイ」と軽く流します。それは二年経ってその言葉がようやく当たり前になったからです。彼の帰る場所は、いつだってこのチーム。

 

その7.ヴァージニアの話

ヴァージニアの失った想い出とそれとの再会、そして何より「二十年分のありがとう」の気持ちを込めたまとめのお話です。テーマは勿論、「二十周年」です。

 

(ちなみに小ネタを…20周年話の第一弾をお読みになった方はもしかすると分かるかもしれませんが、第三弾に出てきたちいさな花の花畑でヴァージニアが過ごした想い出は第一弾に出てきた話と同じです。 あの想い出は第一弾の終盤でなくなってしまいましたが、第三弾で再びヴァージニアの目の前に現れた、という形でした。 )

 

私は実のところ、WA3の発売当時にプレイした訳ではありません。私のWA3との出会いは2010年頃でした。2002年にWA3が発売してからのおおよそ八年間のことを、私はよくは知りません。

この八年という数字が、本当にたまたまのことですが、ヴァージニアのユグドラシルシステムの暴走時の年齢と一致していまして、それもあってこのお話では密かにヴァージニアの欠けた八年間と私の知らないWA3の八年間を重ねています。

「二十年、全部を――覚えている訳ではないけれど。それでもたくさんの想い出がわたしの心にあって、わたしのはばたく力になってるんだ」

「だから――わたしが生まれてからこれまでの二十年分、ありがとうって言いたいんだ」

私はWA3と二十年を過ごした訳ではないけれど、それでもこの二十年をお祝いしたい、そんな気持ちをこの辺の言葉に込めています。

 

もっと早くWA3に出会いたかった、そういう気持ちは確かにあります。でも、今の私がWA3を大好きなのは、出会えなかった八年間で築いた想い出があってこそなのだろうな、と思っています。私はきっと、WA3を一番大好きになるタイミングでこの作品に出会ったんだと、そう思います。

 

 

最後になりましたが、ワイルドアームズアドヴァンスドサード、二十周年本当におめでとうございます!ずっと大好きです!!